【番外編】苺みるくの秘密



千秋は一瞬眉を動かして、フッとひんやりと冷たく笑う。



「このオレに、なんて口きいてんの?」


ひぇええええええ……。

やっぱり怒った……?

千秋はあたしの顎に手を添えて上向かせる。



「どの口が言うのかな?」


ドキンッ……。

至近距離でそんなことを言わないでほしい。


千秋の瞳が、千秋の声が、千秋の吐息が、あたしの胸を高ぶらせるから。



「ち……違うの……。走ってきたから汗かいてて……」


千秋に顎を持たれた状態で必死に口を動かした。

今のあたし、ちょっとマヌケだなって我ながら思う。

だけど言ったことは本当だった。


か、彼氏に会うのに汗臭いって恥ずかしいんだもん。



「走ってきたのか?」

「そ、そうだけど」

「ふーん」

「な、なによ……」


千秋はあたしの顎を引き寄せニヤリと笑って言った。



「それ、オレに早く会いたかったって聞こえるんだけど?」