目に飛び込んできたのはカンカンに怒ったお姉ちゃんの姿だった。


もしかして今のって夢?

あんな夢見ちゃうなんて信じられない……。

夢だってわかっててもドキドキした。


少しガッカリしてるあたしにお姉ちゃんはカーテンをバサッと開けて言った。



「さっきからヘンテコな着うたが流れてうるさいのよ!」

「え……?」


マナーモードにしていないケータイに目をやるとライトが点滅していた。



「ヘンテコってひどいよぉ。お気に入りの曲なのに」

「こっちは二日酔いで頭が痛いから響くのよ!」


お姉ちゃんはヒステリーをおこしているから厄介だ。


夏休み初日。

あたしはキャミソールとショートパンツでお昼近くまで寝ていた。

昨日の終業式での緊張感とか疲労感とかがどっと出たのか、ケータイが鳴っていたことになかなか気づかなかったのだ。