「し、シイ、アイス食うか?」

「そんなんで誤魔化さないで!」

「マジで悪かったって」

「……」

「アイス食うだろ?」

「……ん」


なんとか引き留めることに成功したオレは、冷蔵庫にアイスを取りに行って再び部屋に戻る。

まだちょっと膨れっ面のシイに箱ごとアイスを差し出した。



「いくらでも食っていいから」


つーかこれはシイがオレん家来た時に買ってきたもんだから、いくらでも食う権利はあるんだけど。



「……ん」


正座して手ぇ握りこんでご機嫌斜めなシイ。



「早く食えよ? 溶けるぞ?」

「うん」

「シイ、どれがいい?」


オレが聞くとシイは子供みてぇにコロッと表情を変えた。



「んーと」


たかがアイスだってのに嬉しそうに選ぶシイ。