「あそこだよ! ほら!」
なに……?
コウちゃんが窓の向こう側を指さした。
あたし達は素早くその方向へと視線を向けた。
「……」
まさに絶句だ……。
あたしは何も言えなかった。
窓の向こう側には黒い髪をなびかせる女の人、そしてその隣には千秋が居た。
女の人はニコニコしながら千秋に何かを話している。
会話は聞こえないけど女の人はすごく嬉しそうだった。
千秋は無表情で微かに相討ちをうっているように見える。
「なんで……」
それ以上は言葉にならなかった。
ただドクドクとうるさい鼓動が耳障りなくらい自分の胸で響いた。



