すると桜井はいきなり僕がミスった写真の入ったファイルを僕に突きつけてきた。



「このデキソコナイの女達の写真、今すぐ燃やしなさいよ!」


まったくわがままだ。

やれやれと思っていると桜井は急に立ち上がって、僕のワイシャツの裾をキュッと掴んだ。

そして次に桜井が言った言葉に僕は酷く驚くことになる。



「美結だけは特別なんでしょう? 涼……?」


初めて僕を名前で呼んだ君。

どうやら僕の告白みたいな独り言は桜井に聞こえていたみたいだ。

まったく、狸寝入りするなんて、君は僕よりもずっと上手だね。


……どうしようか、嬉しくて口元が緩む。


そんなことを言われたら金輪際、僕は君以外の女を撮らないと誓ってもいい。

だから次はとびきりの君の笑顔を僕に見せてほしい。