駄菓子屋松金 ─マツガネ─




二人とも長い時間取っ組み合いを続けているにも関わらず、息の一つも乱していない。

長髪の尚輝に至っては、あれだけ動き回っても全く髪が乱れておらず、微風に女性が羨むほどの美しさでなびいていた。


「キャーッ、車山副隊長格好良いィィ!!」


いつの間にか集まり始めた野次馬(主に女性)が、そんな尚輝の姿に黄色い歓声を上げる。

尚輝は万更でも無さそうに彼女達に手を振り、悩殺スマイルをかます。


「キャァァァァ!!!!」

「イヤァァァァァ!!!」


女性たちはそれぞれ思い思いの悲鳴を上げてから気絶していく。

どうやら、尚輝の悩殺スマイルにやられてしまったらしい。


「さぁ、これで邪魔は無くなったね」

「相変わらずじゃの。その女の何人か、浦賀に紹介してやったらどうじゃい?」

「彼女達が俺から冴えない部下に乗り換えると思うのかい?」

「………どうだべか」


涼しい顔をして酷い会話を繰り広げる二人。

どうやら、彼らは隊随一の毒舌コンビのようだ。