三人は、事の経緯を話した。
紫呉は表情を変えまいとして聞いていたが、時折口元が引きつったり、額に青筋が浮かんだり、地味に忙しそうだった。
「…と言う訳なんスよ。あの二人が喧嘩したら街一つ消し飛びかねないって言って、駄菓子屋の兄さん方が協力してくれてるんス」
「成る程な」
「部下の不始末は上司が片すもんだろ? どうにかしろよ」
「ちょ、一応偉いお役人サンに向かってその口の利き方は不味いですよ」
斜め上から目線の常磐に、カノヤは焦りながら肘打ちを入れる。
しかし、『一応』とか付けた時点で彼も不味い人の仲間入りである。
「取り敢えず…今外の状況はどうなってるんですか?」
「喧嘩を止めようとした部下が何人か怪我をして、医務室の方に運ばれている。私が思うに、死人が出ていないだけ良い方だ」
──普段どんだけヤバイのその2人──!!
カノヤが尋ねると、紫呉は腕を組みながら怠そうに答えた。
当然、過去の被害の大きさを知らない常磐とカノヤは顔を蒼白にした。
「とにかく、何とか止めに入りましょう!」
「オイ、屁っ放り腰だぞ」
言い出しっぺのカノヤの足は奇跡的な速さで震えていた。


