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「あれ?駄菓子屋のあんちゃん?」
麗雨は目を丸くして尋ねた。
犯人が外に気を取られているから、その隙に他の隊の者に連絡を入れようとしたら、無線の向こうから、常磐の声を聞いた気がしたのだ。
カノヤも隣で驚いたように目を見開く。
「とっつぁん?何で……」
《やー、テレビに映ってんだよ、おまえ。スゲーな、有名人じゃねーの?》
「いやあの…何か違うと思うんですけど……」
常磐の何だかずれた話に、カノヤは少しだけ緊張が解れた気がした。
あの人は無意識なのだろうが、時々常磐には何か言い様の無い器用さを感じる。
自然な動作や仕草で人を慰めたり、元気付けたりするのがうまいと思う。
「取り敢えず、神野さん。話があるんで、聞いて頂けねェかい?」
《…何だね》
無線越しでも判るくらい、神野は機嫌が悪いらしい。
まぁ、一般人に無線を横取りされたのが気に入らないのだろう。
麗雨は特に気にする様子もなく、さらっと用件を告げた。
「こいつらはわしがやるけぇ、犯人は6人。署に連れていけるだけ車用意して下せェな」
《…わかった》
無線は途切れた。


