浦賀は眉を寄せた。
一般市民が何を言っているのだろう?
「テレビの中継見てビックリしたけど、家の従業員がさ、中に居んだよね」
「だから何ですか?」
「や、そこに居たら邪魔だから、退いてほしいなーって」
浦賀は男に対して、呆れたのか深い溜息を吐いた。
「あの!人質は俺達愛護が助けますので、一般の方は危ないので下がっていてもらえます?」
「とか言って、何もしてないじゃん。やる気あんの?おたく等」
耳を穿りながらそう尋ねてくる男は、明らかにこちらをバカにしている。見下している。
まぁ、あまり国民から好かれる仕事じゃないことは、何と無く判っていたけれど。
けど。
こんなに露骨にそれを表現されるのは初めてだ。
「とにかく一般の方は…」
《神野さん?浦賀?居るかいね?》
浦賀の声を遮ったのは、怠そうにひそめられた麗雨の声だ。
どうやら、犯人の目を盗み、無線で連絡を取ったらしい。
その声に反応したのは、神野と浦賀の二人だけではなく。
「あれ?麗雨ちゃん?」
……え?
なぜか目の前の寝癖男が馴々しく我らが隊長の名を呼んだ。


