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銀行の周りでは、到着した隊員がウジャウジャと建物を取り囲むようにして並んでいた。
その中には神野や、浦賀の姿もある。
「本当なんですか!?中に又傘隊長が居るって……」
浦賀は驚いたように、どこか心配そうに神野に尋ねた。
神野は顔色を変える様子もなく、ただ機械的に部下に指示を出しながら頷いた。
「ああ。だが、我々は心配する必要などない。寧ろ奴もそれを好まんからな。今は人質を助け、強盗を逮捕するのが優先だ」
神野が言っている意味はわかるが、いくら隊長といえど麗雨は女性なのだ。
もし何かあったらどうするのか、と浦賀は思っていた。
気に入らないが、彼女は自分の上司にあたる。
心配するのも当然だ。
「もしかしたら我々の仕事はほとんど無いかも知れんな。まぁ見ておけ」
神野は拡声器を持ち、ふっと笑った。
その時、後ろから声を掛けられた。
「あのー、すんません」
「?」
神野が振り返ると、そこには茶髪の寝癖頭の男が、鈴カステラ片手に立っていた。
男は言った。
「そこ、邪魔なんですけど」
「………はぁ?」


