その時、サイレンの音が鳴り響いた。
実は、こういった非常事態の時は、ボタン一つで愛国護民隊や消防隊が到着するシステムを、銀行やデパート・その他公共の施設やコンビニエンスストアまで、様々な施設が利用しているのだ。
そのため、機転を利かせた職員が咄嗟に押したのだろう。
かなり早い到着だった。
「チッ、ポリ公が…もう来やがったのか…フン、まぁ良い」
男は舌打ちをしながらも余裕の表情で何やら呟いた。
そして、仲間同士で何やら合図を送り合うと、別の覆面男が叫んだ。
「オィィィ!人質は逃げねェように固まって座っとけ!少しでも変な動きしたらてめェ等のタマブチ抜くぜェェ」
その声に、渋々と人質は動き、出入口から一番遠い壁ぎわに固められた。
カノヤも例外では無く、職員等に交じって壁ぎわに移動した。
その中に、一際目立つあさぎ色の頭を見つけた。
珍しい髪の色だ。もしかすると自分と同じ穹人かもしれない、とカノヤは勝手に親近感を感じていた。
そう思いながらその人を見ていると、なんと、腕に愛国護民隊の腕章が巻かれていた。
──えっ……愛護……!?
カノヤは目を丸くしたまま、暫く恐怖を忘れてその腕を見つめていた。


