カノヤは肩を震わせて思わず振り向いた。
その先には、拳銃を持った男が数人立っており、その中の一人が客の女性に拳銃を突き付けていた。
頭に感じる金属の重みに恐怖して、女性は涙を流しながら金切り声を上げている。
「おいコラァァァ!この女の頭ァぶっ飛ばされたくなかったら、今すぐ此処にあるだけの金全部出しな!」
男は皆覆面をしており、大声で怒鳴りながら受け付けに歩み寄る。
金を盗るつもりで来たようだが、鞄の類は持っていないようで、それも要求していた。
受け付けの女性は震えながら金を詰める袋を探している。
さっきまで静かだった銀行に、嵐が舞い降りたようだ。
───こ、殺される!
カノヤは受け付けに立ち尽くしたまま、隣に立っている銀行強盗を見た。
情けないが、気を抜いたら漏らしてしまいそうだ。


