自動ドアをくぐると、中には数人人が居た。
わざわざ通帳を使うのも自分くらいかな、とも思ってしまうほど、皆カードを使っていた。
──…振込む場合ってどうするんだろ……普通カードで振込むんじゃ……
カノヤは色々悩みながらも、受け付けにひょっこりと顔を出した。
「あの、すみません。ここの口座に振り込みたいんですけど」
すると、職員は口座番号の書かれた紙を一瞥してから、「カードはございますか?」と尋ねてきた。
「いえ、あの…通帳から下ろして、そのまま振り込みたいんですけど…」
「少々お待ちください」
人当たりの良い笑みを向けると、職員はカノヤに背を向け、通帳を持っていった。
その時。
「キャァァァァァ!」
絹を裂いたような悲鳴が響いた。


