駄菓子屋松金 ─マツガネ─



神野は溜息を吐きながら、中指で眼鏡を押し上げる。


「…わかった。私から厳しく言っておこう……」


この二人が言うように、麗雨には常識が殆ど通じない。というか、彼女の常識が一般的な常識と掛け離れている。


彼女はこの二人のようにきちんと義務教育を終え、勉強をして入隊したわけでは無いから。



* * * * *



カノヤは通帳を見ながら眉を寄せていた。


「…これはその内赤字だな…」


明らかに収入より支出が増えている。

いくら卸売り業者から安く駄菓子を仕入れ、販売したとしても、その売り上げが良くないものだから、そうなるのも仕方がない。


カノヤはうなだれたまま銀行に入った。