常磐はぱちくりとめを見開いてから、「さっきそう言わなかった?」とめんどくさそうに答える。
「そ、そうでした?」
カノヤは頭を掻く。
「でも、きっとそんなに強いんですもん、ゴリラみたいなゴツイ奴に決まってますよ」
「…女の子だった」
「………は?」
カノヤは常磐の言葉に、間抜けな表情で見返した。
常磐はそんなカノヤを気にする様子はなく、ポツリと話し始める。
「万引きボウズ捕まえたとき、会ったんだ。水色の髪に、真っ白な肌で、血ぶちまけたみたいな真っ赤な目で。ゴリラっつーよりゃ、雪ウサギみたいだったぜ」
「…そんな人居るんですか」
「俺嘘言わないぜ。冗談は言うけど」
カノヤは驚きを隠せず、目を白黒させている。
「隊長が…女の子……」
それだけでも驚きなのに、常磐は更に付け加える。
「あ、あとな。見る限りありゃ未成年だぜ。お前と変わんねぇか、それ以下だ」
二人は、
「世界は広いね」
と頷き合った。


