完全に不意打ちだったため、二人はもろに頭に衝撃を受けて倒れてしまう。
常磐はちゃっかり四角い箱状のセンサーも破壊して、口元をニヤリと吊り上げた。
「らっくしょ♪」
門番の懐から奪った鍵をぶら下げて、常磐は堂々と正面から入っていった。
カノヤはアリアの手を引きながら、薄暗い廊下を歩いていた。
さすが金持ちといった所か、廊下は長く、部屋の数も半端ではなかった。
これでは、ただ働きをさせられているアリアの父を助けるにも、探すのに手間取りそうだ。
「……あの……」
アリアが不安そうに口を開く。
カノヤは少しだけ握った手の力を緩めた。
「ホントに……迷惑掛けてごめんね…私と父の事情なんて…関係なかったのに」
アリアは申し訳なさそうに頭を下げ、カノヤの手を握った。
カノヤは首を横に振る。
「そ、そんなことない。……ぼ、僕は、お父さんもお母さんも…もう、内戦で死んじゃったから……アリアさんは、今生きてる家族を大切にしなきゃ………いけないと思う」
「カノヤ君……」
カノヤは照れたように笑いながら、「よく、わかんないけど」と呟いた。


