駄菓子屋松金 ─マツガネ─





「あれーおかしいなーここはどのへんだろうー」


棒読みの言葉で喋りながら、常磐は正門の前を歩く。

もちろん、そんな事をすれば門番達が黙っていない訳で、常磐は彼らに呼び止められてしまった。


「お前、こんな所で何をしてるんだ」

「まさか穹人ではなかろうな?」

「テロリストか!?」


門番の注意は完全に常磐に向いている。

常磐は目で草むらに隠れる二人に合図を送った。

カノヤが常磐の目を見て頷き、アリアの手を引いて塀をよじ登る。

アリアも続いていった。


「俺、迷子になったんですよー。地図を逆さまに見ちゃって、うろうろしてたらここが何処なのかさっぱりつるつるでー」


相変わらず常磐は不自然なほどに棒読みだ。

門番は眉を寄せる。


「何、地図を貸してみろ。道を教えてやる」

「あら、優しーんですねー流石だわー」


常磐はポケットから地図を取り出す振りをして、油断しきっている門番二人を殴り付けた。