駄菓子屋松金 ─マツガネ─




アリアは話す。


「私の父は、人間が攻め込んできたときに私と母を逃がして、自分は捕まってしまったの。
今は、人間の金持ちの家で奴隷として働かされて、ほとんど食べ物も貰えないような、ひどい状態なの……」

「愛護には通報したのか?」

「愛護が私達の話を聞いてくれるはずが無いわ。それに、決定的な証拠が無ければ捜索令状も出せないって……」

愛護は、警察のような組織で、正しくは愛国護民隊『あいこくごみんたい』と言う。

この組織は、表では平等を装っては居るが、こうして差別が生まれることも多々ある。


「お願い!」


アリアは常磐に泣き付いた。


「あなた達しか頼れる人が居ないの!初めてだった、私の話を真剣に聞いてくれたのは…常磐さん…あなたが初めてだった………」

「アリアさん……」


カノヤは何だかその姿が痛々しく思え、唇を噛む。

常磐はアリアの頭を撫でると、立ち上がった。


「その金持ちってどこのどいつ?」

「え………」

「住所わかんないとダメでしょ。何、魔界にありますとか言うの?」

「ってことは……」

「パパを助けに行くんでしょ。ほら早く」


常磐は優しく微笑んでいた。