アリアは、暫く黙って俯いていた。
常磐は鈴カステラを全て平らげたことを思い出し、マズイ、とも言いたげに顔を青くした。
「悪い、今すぐ新しいの持ってくるから……」
「……?……鈴カステラはもう良いわよ?」
常磐は立ち上がり掛けるが、アリアがそれを止めたので、不思議そうにしながら座り直した。
「何不思議そうな顔してるの?鈴カステラ食べられたくらいで誰も怒らないわよ。ただね……」
「……ん?」
言い淀むアリアに、常磐は首を傾げた。
アリアは言いずらそうに目を泳がせてから、再び俯いてしまう。
「……今更無くね?そーゆーリアクション。俺、アンタに絡んでたオッサン投げ飛ばしたんだけど。もうこれ以上面倒なことないでしょ。さぁ、とっつぁんに話してみなさい。怒ったりしないから」
「どこの先生だよ。アリアさんは悪いことしでかした生徒ですか」
カノヤのツッコミを無視し、常磐はアリアに話を促した。
アリアは渋々といった感じで話しだす。
「私の父が………人間に捕まって、奴隷として働かされてるの…………だから……」
アリアは頭を下げた。
「……父を助けて!」
「「ぉえぇΣΣ!?」」
思わず二人は奇声を発した。


