駄菓子屋松金 ─マツガネ─




二人はほぼ同時のタイミングで振り返る。

そこには、先ほど男に絡まれていた女性が立っていた。

常磐は振り向いたその格好のまま尋ねる。


「あー、何?駄菓子買ってくれんの?」

「態度悪いですよ。いらっしゃいませ、サイコーマートにようこそ〜でしょ?」

「ちょ、バイトの癖出てるよ」

「マジかΣΣ」

「このか弱い乙女を無視してんじゃねェェエ!!!!」


そんな二人の会話に痺れを切らしたのか、女性は目を吊り上げると常磐の胸ぐらを掴んで激しく揺さぶりながら叫んだ。

その時点でか弱いの部分には取り消し線を引かれた。

揺さ振られた常磐は、自分の足が地面に付いていないことに気が付き、少しだけ血の気が引いた。


「普通は男を投げ飛ばした後は私を心配するはずよね?
何故なら私はさっきあのクソブタアルコール男に絡まれて困ってたんですもの」

「ハイ、ソウデスネ……」


女性は更に手に力を込めながら尋ねる。

常磐は首が絞まり苦しいが、取り敢えず命は惜しいので頷いておいた。