「とっつぁん!」
カノヤは叫んだ。
男は振りかぶり、常磐を殴ろうとしたが、常磐は状態を屈め、その拳を避けた。
突然のことに目を見張った男は態勢を崩し、前のめりになる。
それを見逃さず、常磐は男の腕を掴むと、勢いを利用してそのまま投げ飛ばした。
「っだァァァア!!!」
雄叫びを上げながら男を投げ飛ばし、常磐は何事も無かったように首の間接を何度か鳴らし、カノヤから袋を奪い取る。
「な…投げ飛ばし、た……」
「あ?あー、あれ位誰でも出来るでしょ。それよりさ、卵無事?」
「卵は無事ですけど、普通出来ませんよ!!?」
茫然とするカノヤに、いつものぼんやりとした態度で常磐は尋ねる。
もちろん、カノヤは突っ込まずには居られない。
「あー、良かった。たまにしか食べれないからさ、死守したかったんだよね。さーさー、開店かいてーん」
「は、はい………」
「あの!」
常磐が駄菓子屋のシャッターを上げたとき、いきなり後ろから女が声を掛けてきた。


