駄菓子屋松金 ─マツガネ─




常磐は弥晴に言った。

「お前な、実の娘に剣を向けるなんざ、どういう了見だ」


「ふん、貴様のようなぬるま湯に浸かった人間には解るまい。この俺の憎しみがな」


弥晴は頑なにそう言った。


「あんた‥‥麗雨ちゃんの言葉がわからなかったのかよ? あの子は身を呈してあんたに和解を訴えたんだぞ?」

「だったら何だと言うんだ。あいつには失望したよ。俺と同じ望みを持ってくれると信じていたのに‥‥」

「何が‥‥望みだよ‥‥」


弥晴の言葉を遮ったのは、常磐ではなく、先程まで情けなく震えていたはずのカノヤだった。


「こんなの希望でも何でもない! 僕が望む世界は、2つの種別が一緒に‥‥手を取り合って暮らせる世界だ!」


カノヤは声を振り絞った。


「麗雨さんが‥‥‥あなたの娘が夢見た世界だ!」