常磐は麗雨と弥晴のやり取りに違和感を感じていた。
(麗雨ちゃんの父親…ありゃあ、娘を見る眼じゃねぇよ)
弥晴は完全に復讐者の眼をして居た。麗雨の声など、何も届いていないかのような。
常磐は襲いかかってくる穹人を受け流し、紫呉と背中合わせになる。
「おい、麗雨ちゃんは大丈夫なのか?あんなの、初めて見たぜ」
「あいつがああ言っている以上、信用するしか無いだろう。驚いているのはお前だけではない」
紫呉は静かに呟く。
「……あの男はあいつの…ただ一人の肉親だ」
常磐は何も言わずに唇を噛み、再び敵と向き合う。そのときだった。
「麗雨さん!!」
カノヤの悲鳴にも似た叫びが、二人の耳に届いた。


