二人が居なくなり、爆音の中で父娘が向かい合う。
「俺は失望したよ、麗雨。あんな奴らと一緒に居るだなんて」
「おとやん、確かに人間のしたことは許しちゃいかん。けどな、こんなことしちまったら、おとやんが悪者にされちまう」
「知っているか、麗雨。争いとは、勝者が正義なんだよ。つまり俺が奴らを滅ぼせば、俺が悪者になることは無い」
麗雨はぐっと押し黙った。父とはぐれてしまった期間に、彼に何があったかはわからない。
しかし、人間のしたことが、彼の心の闇を大きくしたことは揺るがない事実なのだ。
再び爆風が地面を抉る。麗雨は吹き飛ばされないように踏ん張りながら、声を振り絞った。
「おとやん、わしは……、穹人が人間を滅ぼした世界じゃのうて、穹人も人間も、どっちも仲良う暮らす世界に住みたい。お互いに…」
しかし、麗雨の言葉が最後まで続くことは無かった。
弥晴から突き出された剣が、麗雨の腹部を深々と貫いていた。


