多少の痛みを覚悟した紫呉であったが、次の瞬間で耳を貫いたのは住民の悲鳴と思われる声だった。
晴れる煙の向こうには、男3人を薙ぎ倒し、紫呉を庇うように立つ麗雨の姿が見えた。
「仕込み武器なんて地味なモン使(つこ)うとるからじゃ、司令塔は戦闘に出てきちゃいかん」
「生意気な…まだ俺は現役だ!」
可愛くない口を利いた彼女を、紫呉はいつものように怒鳴り付けてやる。しかし、その表情は何処か安堵しているようにも見えた。
(……自分の父親との対決に…腹を括ったようだな…)
麗雨の目に、迷いは無かった。
「おとやんはわしが止めるきに。これ以上、悪者にされてたまるもんか」
どのような形での再会でも、麗雨にとっては、血の繋がった唯一の家族なのだから。


