駄菓子屋松金 ─マツガネ─





しん、と空気が静まり返る。

自身の腕の中の小さな少女が僅かに身動ぎするのを感じた勇一は、腕の力を抜いた。

すると、少女はもぞもぞと動き、勇一にしがみ付いた。


「おっちゃん、ぬくいき。もうちょいこうしててもよか?」

「…え?あ、うん」


勇一が頷くと、少女は嬉しそうに微笑み、小さな手で勇一の服を握った。

その瞬間に、勇一の心に雷が落ちたのだった。


──この子の父親にならなければ…!!


こんなかわいい子を処分なんか出来ない。勇一は少女を抱き上げた。


「な、何すんじゃい!」


抗議の声を上げる少女に、勇一は告げた。


「俺がお前の父ちゃんになる!」



それが二人の出会いだった。