(……処分なんて、人に対して使う言葉じゃない気がするんだけどな……)
もやもやした気分のまま、勇一は瓦礫の山と化した街を歩く。ふとその時、何か騒ぐ声が聞こえた。
勇一は重い足を引きずり、声のする方に向かう。
「……このガキ!」
「うるさい! おとやんとおっかあを返せ!」
声の正体は、軍人と子供の言い争いだったらしい。勇一は物陰に隠れ、様子を伺う。
子供は、どこから持ち出したのか手に鉄パイプを持っている。その周りには軍人が数人倒れていた。どうやらあの子供が、一人で大の大人を倒したらしい。
なかなかやんちゃな子供だなぁ、と思いながらしばらく様子を伺っていたが、その子供の容姿に目を奪われた。
浅葱色の髪に血のような色をした真っ赤な瞳。それに反するような白い肌が、更にその赤を際立たせていた。
「お前、その髪と瞳! 穹人だろう。良いからおとなしく来い!」
「だれがついてくか! 知らん大人についてっちゃいかんと教わったんじゃい!」
「こっちは上から命令されてんだよ。黙ってねーと処分するぞ!」
いよいよ男が銃を取り出した。指に引き金がかけられたその時、勇一はその場に飛び出していた。


