ふとした事で、いっちーさんへのキモチを確かに恋だと認めたわたし。




そんなわたしを応援するかのように、恋の神様は、わたしにチャンスをたくさん与えてくれたんだ。




わたしは2年生になってから頻繁に部室に行くようになった。部室といっても、10畳ほどの部屋でソファーやら、テーブルやら漫画やら、CDやら、色々揃ってて居心地が良い。




わたしはサボリにきたり、授業のない空きコマの時間を部室で過ごす。




そこには、かなりの確率でいっちーさんがいる。暇なわたしの学部と違って、いっちーさんの学部は忙しいはず!



そう…いっちーさんもサボり魔だったっていう。







常に、部室は出入り自由だから、誰がいつ来るかは分からない。





でもその日はずっと、
わたしといっちーさんは2人きりだった。





「こんにちは!」


『おー、モエ!おっす』


「今日もサボりですかっ?」


『いや〜、ちゃんとお昼に来たんだけど授業出てないんだよ』

「え!もう3時ですよ!このあともう授業ないんですか?」


『あるけど、気が向いたら行くよ〜モモは授業はあるの?』


「いえ、わたしはもう終わりです。放課後も久しぶりにバイトないんで部室で漫画読んでのんびりしようかと…」


本当は、ちょっぴりいっちーさんがいることを期待して。





『じゃぁ、今から読書タイムだね!』





そういっちーさんが言ったきり、その後2時間わたしたちは一切喋らず、漫画を読みふけった。







いいの、同じ空間に居られるだけで嬉しいから。





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