あの夏の日。




ヤバッ!サークルの人にタバコのこと、バレちゃった!
どうしようっ!




意味もないのに、とっさにタバコを隠して振り返れば、




「いっちーさん…」


『モモちゃんタバコ…吸うの?』


「…はい。でも毎日って訳じゃなくてっ!精神的にまいっちゃったりする時だけです!始めたのも大学入ってからですし、」


『じゃぁ、いま、元気ないんだ?』


その問いにはわたしは答えず会話を続けた。


「タバコ吸う女子とか印象最悪ですよね。しかも、アカペラサークルだし…」


『いや、俺も吸うよ?今のモモちゃんと同じような感じの時とか』


「え、マジですか?なんかあんま吸わなさそう」


『俺も!』


「へっ?」


『でもやっぱりタバコは良くないから、モエちゃんのタバコが減るように協力してあげる』


「??」


よく分かんないけど、わたしが吸うタバコが減るようにってこと?自分吸いたいだけじゃないの、いっちーさん。



なんて思ってたら、タバコを奪われて、




『火ちょーだい?』


なんていう始末。
まぁいっかと思いつつ、火をつけてあげる。


うわぁ、なんだかこのシチュエーション…ホステスとお客さんみたい!



なんてくだらないこと、考えていたら…



『ありがと。なんか、ホステスとお客さんみたいだね』



なんて言うものだから、
同じこと考えてたんだってなんだか嬉しくて、ポカポカした気持ちになった。






さっきまであんなにつまらなかったのに、






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