百合亜Side
しばらく経っても優斗が戻ってこない。
どうしたんだろう…。
携帯をかけてみたけどこの人ごみじゃなかなかかからない。
そんなことを考えているうちに花火が上がり始めてしまった。
「花火始まっちゃった…。」
花火を見つめながらポツリと呟いた。
「ほら、そんな顔しない。せっかく花火が上がってるのに、台無しになるぞ?アイツならどこか迷子になっちゃったんじゃないのか?なんせ、この人ごみだし。」
潤くんは人ごみを見ながら言ってきた。
確かに場所がわかっていてもここに来るまで時間はかかりそう。
「そうね、花火が台無しになったらつまらないわ。」
そんな私をずっと見ていたことは私は知らない。
ただ、私は綺麗な花火を見つめていた。

