しばらく歩くと優斗は私の腕を離した。 「百合亜、本当に知らないんだな?」 優斗の質問に頷いた。 「あっ、でも……」 「でも?」 言うべき? なんか見たことあるような気がするって。でも誰か分からないし。 頭のなかでいろいろ考えていると 「百合亜?」 きっと話しださない私を不思議に思ったんだろう。 「あのね、なんか見たことあるような気がするんだよね。」 そう私が言うと優斗の眉がぴくっと動いた。