「ごめん。よく聞こえない。」



「…待っててほしい。」



そう言った優斗の表情からは何を考えているのかわからない。 



待っててって… 



今別れてほしいって言ったばかりなのに。 



「百合亜にはこれしか言えないんだ。でも、俺を信じてほしい…。」



「優斗、何があったのか私にはどうしても言えないの?」



私の質問に優斗は首を横に振った。 



「ごめん、今は言えないんだ。」



「………分かった。」



優斗のつらそうな顔を見て我が儘なんていえない。



私は優斗を待つことができる? 



ううん、待つ。 



「ちゃんと迎えにきてよ?」



「百合亜…。」



そっと唇が重なった。 



最後のキスは甘いようで、しょっぱかった。 



優斗、私ずっと待ってるから。