・バイト・

「玲ちゃん、こっちもちょっとお願い」 
「はい、今行きます」

駅の近くにあるお洒落な喫茶店でバイトを始めたのは、高校に入学してから一月経った頃。
最初はたくさんあるメニューを覚えなきゃいけなかったり、接客が難しくて何度も失敗したりと
いろいろ大変なことがあったけど、初めて1年が経った今、このバイトをやってよかったと思っている。


それは、好きな人ができたからだった。


名前をリオという、玲より1つ上の大学1年生だった。



玲は週3回、月曜日と水曜日と木曜日にここでバイトをしている。

リオは水曜日に入れているらしく、重なるととても嬉しかった。


きっかけは、トレーに乗っけていた軽食や飲み物類を床に落としてしまった時だった。
原因は、玲を嫌っている客が、足を引っ掛けたこと。


しかしその原因を知らない店長が、玲のことをひどく叱ったときに、
丁度側を通りかかっていたというリオが、理由を話してくれたのだ。

そのときから、リオに惹かれていった。









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