久しぶりに会った慶次は、やはり慶次だった。
 
豪快な物言いに、歌舞伎みたいな格好。
 
「なあ、慶次。織田軍を見逃してくれないか。本当は俺が織田軍の連合を組む仲介をするはずだったんだ」 

「……ふむ。たぶん、それは無理だろうな」
 
ドサッ……
 
ゆっくりと小太郎が地面に倒れ伏した。
 
背中には刀が刺さっている。
 
「だって、お前らは皆殺しだからだよ」
 
刀の柄を確かに慶次は握っている。
 
俺は目の前の信じられない出来事で、何かが弾けたような感覚に陥った……