やわらかな時間だ。
 
このゲームを始めてからは戦いの日々だったからだろう。
 
心が落ち着く感じがした。 

「兄ちゃん……槍を使うんだね?」
 
「あ?ああ。まあ、ぼちぼちな」
 
「すごいねー。僕、力弱いからご飯運んでばかりだよ」
 
小太郎は腕まくりをして、小さな力こぶを見せてくれた。
 
プルプル震える腕が、何とも言えず、可愛らしく見えた。
 
「ははは。小太郎はまだ子どもだから仕方ないさ」
 
「そうかあ……じゃ、いつかは兄ちゃん槍を教えてくれる?」
 
「ああ、もちろん」