男の子は珍しいものが来たと好奇心旺盛な目を輝かせている。
 
「あ……初めまして」
 
「お兄ちゃんも信長様に呼ばれて、この城に来たんでしょ?すごいねー」
 
緊張感たっぷりで入って来たのに一気に無くなってしまった。
 
しかし、意外だ。
 
こんな男の子が城にいるなんて。
 
見た感じ服は粗末なもの。 

貴族とは思いがたいし、もしかしたら信長の子どもかもしれない。
 
「君は?」
 
「僕、小太郎。お兄ちゃんは?」
 
「真田幸村」
 
「へえー。カッコいい名前だね」