こうなったら先手必勝だ。 

「うぉぉぉっ!!」
 
思い切りクナイを振った。 

周りの木々から枝がポトリポトリと落ちていく。
 
鋭い風の刄が相手に届いた瞬間、相手は体が上下半分になって崩れ落ちた。
 
あまりにもあっさりした結末に納得がいかない。
 
「これは……」
 
「そこにはもういない」
 
耳元で声がした。
 
振り向きざまにクナイを振ったが、相手はいない。
 
「そうか……影の宝玉の力は…」
 
「お前の影に隠れたのさ」 

真っすぐに伸びた俺の影から男が現われた。