そうは言ってみたものの状況は何も変わらない。
 
足元は凍り、徐々に埋まっていっている。
 
「くっ……身動き取れなくして、タコ殴りって戦法かよ?」
 
「平賀源内……なかなか良い読みだが、我々の目的は貴様らの命だ」
 
白夜は地面につけていた槍をこちらに向けてきた。
 
「飛べ……氷のつぶてよ」 

キラキラ煌めく氷が槍の周りに浮かんでいる。
 
氷は徐々に形を変え、尖った形となった。
 
「おいおい、冗談じゃねえよ…」