キィキィ……
 
荷車の音が聞こえてきた。 

「積み荷が来たか?」
 
陣地にいるのは俺達四人に加え、門番の二人。
 
門番も音に気が付き、門を開ける準備をする。
 
「待て!!ちゃんと確認……」
 
源内の忠告に門番も焦って扉を開けるのをやめる。
 
「やれやれ……積み荷を持ってきたのにこの扱いかい?」
 
この声にいち早く反応したのは海野だった。
 
「なんだ、積み荷係のおっちゃんの声だ」
 
ほっと胸を撫で下ろす海野。
 
「待て!!積み荷係が刀を持っているわけがない」
 
声を荒げたのは源内だ。