「こちらも出るしかないようだな」
 
謙信の重みのある声に、慶次と望月が反応した。
 
「大将!?」
 
「いつまでもこんなところに隠れているわけにもいかないからな」
 
謙信は何かを決断したようだ。
 
「全てを取り戻そう。このまま由利を放ってはおけないからな」
 
由利を取り戻す。
 
謙信は言った。
 
「俺も行っていいんですか?」
 
「佐助?お前もか……わかった。ついてきなさい」