「慶次!!逃げるよ!アンタはここで死んじゃいけないんだ」
 
由利の叫びに、慶次もうなずいた。
 
「逃げる?せっかくおもしろくなってきたのに……そうつれないこと言うな!」 

男は槍を振り回し、慶次に向かって刄を向けた。
 
刄は慶次に届いてはいない。
 
しかし、宝玉システムの威力は凄まじいものだった。 

槍の先からつむぎだされた氷のつぶてが、慶次の体を切り裂く。
 
「へへ……こりゃあ、まずいな」
 
身体中が傷だらけ。
 
このままでは、みな殺される。