「おーい、新入り早く荷物運びやがれ!!」
 
俺は俵を両肩に抱え、必死に城下町を駆け回る。
 
信玄の配下になり、俺は荷物運びをやらされていた。 

隆盛は薪割り、源内は城の建築のための技師の役割についていた。
 
「ふう……まさか、ここまでこき使われるとはな」
 
「ほらほら、幸村さん。さっさと運ばないと日が暮れちまうぜ!!」
 
海野に尻を蹴られ、俺はまた歩きだす。
 
あとでわかったことだが、海野は俺よりも一歳年下だった。
 
その年下よりも下っぱだから困ったものだ。