「まぁ、よい。貴様、名は?」
 
「猿飛佐助です」
 
さっきよりも、はっきりと答えると男は、にやりとした。
 
「よろしい。私はここの主の龍杏(りゅうあん)。私が教えるのは、戦国時代を生きる心だ。つまりは、心技体の心を教えるのが、この道場だ」
 
なるほど。
 
確かに、あんな気合い満ちた声を出すのも頷ける。
 
しかし、心なんて戦国時代で役にたつのだろうか?
 
現代ですら、心なんて定義があいまいなのに………