「なんで、なんであんたが泣くのよー…」 男を見ていたら、私までもが悲しくなって再び、泣き始めてしまった。 いい大人が二人で、ひっくえっぐと、平日の真昼間から大泣きしている。 一人は玄関前で、もう一人は家の中で。 私たちの間には一枚の扉があるだけだ。 この扉の向こうに、男は居る。 -