「それでね、実はボクのお母様は……」

「うん……」

「王女様なんだ!」

「うん……って、え!?」

「詳しく説明するとね……」

その後レモンから長々と話を聞いたから
こういうことがわかったのだ。

レモンの母親は鳥の世界では
すごく偉い鳥、つまり王女様。
そしてレモンはその王女様の息子。
鳥の世界では王女様や王女様の息子、娘などを
助けたりしてあげたときは
決まりで、助けた者の願いごとを1つ
叶えなくてはいけないのだ。

「でも、だからってしゃべれるの??」

「願いごとを叶えるには話さなくは無理でしょ?」

「あ、そっか!ピーピー言ってもわからないもんね」

「そういうこと」

「じゃあ、願い事を言ったら?」

「願いを叶えるまでしゃべれる。でも叶えたらおしまい」

「そうなんだ……」

「あと、英奈に約束してほしいことがある」

「約束?何?」

「英奈がこのことを
誰かに話すとボクの存在と
英奈の記憶にあるボクが
すべて消えてしまうからね」

「つまり?」

「誰にも話さないでってことだよ」

「……うん。わかった。」

「絶対だよ?破ったらボクは最初からいないことになる」

「わかった!レモンがいなくなるなんて絶対イヤだもん」