トポトポトポ…


はぁ~あ…。初めてだ、あんな人。
先週行った時は、軽く手を肩抱かれたし…。


トポ…ドポドポドホ…


なんのつもりなんだろう…。
かと言って「変態オヤジっ!!」とか叫べないしなぁ~。


ピチャピチャピチャ…


だって、社長に迷惑かかるし~…。
やっぱり我慢…かぁ…。


「おいっ!?」


「は、はいっ!?」


突然後ろから社長の声がして、体を引き寄せられた。
まぁ、つまり後ろから抱かれている状況なわけで…。


はっ!?えっ!?
な、何事っ!?!?


「このっ…馬鹿!!」


「す、すみませんっ!!」


しかも耳元で大声で怒鳴られる。

状況把握が出来ていない私は、ただただアワアワとしていた。


「カップからコーヒーがこぼれてるんだよっ!!」


社長の声に慌ててカップに目をやると、確かにコーヒーがカップから溢れ出ていた。

やっばっ!!!!
……ってか、熱っ!!!!

ふと手を見ると、出来たてのコーヒーが思いっきりかかっていた。