「喉が渇いたから…」 「そうか。まだリストカットしてるんだな? 痕が見える」 「そう…だけどやめることにした」 「それはいい心掛けだが、どうして急に?」 「あの人に見られたからだよ」 俺は佳恋さんの眠る客間を指差した。