“ただいまー”


“おかえり。あんた新聞見た?”


家に帰ると、姉ちゃんがいた。


“…?見てないけど、何かあんの?”


“ほら、`桜木詩音´。憶えてない?”


――…さっき見たとは、言えなかった。



“堂々としてるじゃない。あの頃とはまったく違うわ…”


姉ちゃんはバレー部で、彼女の先輩だった。


“そうか?あいつ中学の頃から堂々としてたじゃん”


“あぁ、後半からはね。
最初は大変だったのよ?詩音は美人だから目立つでしょ?それで苛められててね。しかも、男嫌いだし…。まだダメなの?”



“知らねーよ。はなしてないし”