昨日のように軽蔑する奴はいなかった。


今は何故か、この緊張感すら快適で、早く走りたくてたまらない。


ピストルがなる。


一斉に走る。


流石に決勝は皆速い。


`fight´


その言葉が脳裏に浮かんだ。


そう。おれに迷っている時間はない。


唯、前進あるのみ!




何時もより速いラストをかけて、俺は堂々1位を勝ち取った。


“よくやったな、直”

“ThankYou、翔”


俺達は握手を交わした。


“すみませーん、早川直さんですよね?”


“そうですけど…”


マイクやカメラを持った記者達が、大勢来た。