相手は陸上部のマネージャー、



`木村華菜子´。



そう…、










俺は高校に入ってからは陸上部に入った。










何故って?










バレーをやっていると、









彼女のことを思い出すから。


+++++++++++


“直、やったじゃん新記録”


“おっ、やるなぁ直。来週の大会頑張れよ。期待してるから”


“ハイ、ありがとうございます!”


“そうだ、決勝の日は女子もいるから――……、










ヘマするなよ?”



“別にいいっすよ、
俺、彼女いるし。
なっ、華菜子”


“そうですよー。これ以上モテなくていいです。










…でも、かっこいい姿見せてね、直”


先輩や仲間に励まされて、俺のタイムは順調に上がっていった。


“直っ、お疲れ様”


華菜子が走ってくる。

“ねぇ、大会頑張ってね。直はうちの期待のスプリンターなんだから”


“んっ、頑張るよ。










――……全国行ってやるよ”


1年前だったら、こんなこと言えなかった。自信のないあの頃だったら…。